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2000 年度 実績報告書

多成分結晶の超分子光化学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10440215
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 義勝  京都大学, 工学研究科, 講師 (20093726)

キーワード二成分結晶 / 固相光反応 / メラニン / ドーパミン / 光二量化反応
研究概要

本年度は、生体に存在する固体色素であるが、その構造や機能が未解明であるメラニン、及び、パーキンソン病、精神分裂病、アルツハイマー病等の神経性疾患治療薬として期待されるドーパミン誘導体に着目して、メラニン類似物質やドーパミン誘導体の合成、反応、同定の研究を行った。既に幾つかのニトロ化合物がドーパミンやドーパと二成分結晶を作ることを見つけた。これらの結晶は固相では光反応性を持たなかったが、アルコール溶液中ではテトラヒドロイソキノリン誘導体を生成した。又、示差走査熱量分析により融点付近で急激な発熱反応を起こすことが分かったので、熱反応も研究し、黒色のメラニン類似物質を得た。その構造を、本補助金で購入した粉末X線回折装置、種々のスペクトル解析、元素分析、副反応生成物の構造解析、他の類似の二成分結晶の反応解析、等を用いて現在解明中である。更に、ドーパミンのシンナモイル誘導体を無溶媒反応で合成し、それらの固相光反応により幾つかの特異なシクロブタン型二量体を得た。特に、メチレンジオキシシンナモイル誘導体の固相光二量化反応はベンゼン環の二重結合が反応に関与した初めての例であった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Ito: "Unusual [2+2] Photocycloaddition between Tryptamine and 3-Nitrocinnamic Acid in the Solid State"Chem.Lett.. -3. 288-289 (2000)

  • [文献書誌] Y.Ito: "Compelled Orientational Control of the Solid-State Photodimerization of trans-Cinnamamides : Dicarboxylic Acid as a Non-covalent Linker"Tetnahednon. 56・36. 6833-6844 (2000)

  • [文献書誌] H.Hosomi: "Crystal-to-Crystal Photodimerization of trans-Cinnamamides"Acta Cryst.B. 56・. 682-689 (2000)

  • [文献書誌] Y.Ito: "Solid-State and Solution Photolyses of Two-Component Crystals Derived from Tetracyanobenzene and Benzyl Cyanides"Tetrahedron. 56・37. 7139-7152 (2000)

  • [文献書誌] H.Hosomi: "Charge-transfer Complexes of N-Methyl-, N-Isopropyl-, N-Butyl- and N-Isobutylcarbazole with 3,5-Dinitrobenzoic Acid"Acta Cryst.C. 56・. 144-146 (2000)

  • [文献書誌] H.Hosomi: "Charge-transfer Complexes of N-Methyl- and N-Ethylcarbazole with 3,5-Dinitrobenzonitrile"Acat Cryst.C. 56・. 147-148 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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