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1999 年度 実績報告書

混合栄養藻類の生態学的パラドクスを解く

研究課題

研究課題/領域番号 10440234
研究機関京都大学

研究代表者

占部 城太郎  京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50250163)

キーワード琵琶湖 / 混合栄養 / 藻類 / 細菌 / ベン毛虫 / 競争 / 動物プランクトン / 光合成
研究概要

黄金色藻類やクリプト藻類は、光合成を行いながら鞭毛虫のように細菌も捕食するため、混合栄養藻類と呼ばれている。混合栄養藻類は、しばしばブルームを形成するが、これは2つの栄養摂食様式をもつことが関係していると考えられてきた。しかし、最近の理論研究から混合栄養藻類は必ずしも自然界においては有利ではないことが示唆されている。なぜなら、混合栄養藻類は光合成器官と食べた細菌を消化する器官の両者をつくらねばならず、光合成や細菌食の「専門家」である植物プランクトンや原生動物に比べてコスト面で不利となるからである。 本研究は、琵琶湖に出現する黄金色藻類Uroglena americanaを主たる対象とし、彼らがなぜプランクトン群集のなかで卓越できるのかを生態学的に明らかにするために行った。その結果、琵琶湖に出現する混合栄養藻類は細菌からリンや窒素などの栄養塩元素を獲得することが出来、栄養塩枯渇下では他の藻類に比べて競争的に有利であること、しかし細菌をめぐる競争では鞭毛虫類のほうがむしろ有利であることが明らかとなった。一方、Uroglena americanaは大きな群体を形成するため動物プランクトンには捕食されないことも明らかになった。これらの結果から、混合栄養藻類のプランクトン群集での卓越には競争と捕食が関与しており、栄養塩の枯渇に加え動物プランクトンが鞭毛虫を除去することによってUroglena americanaのブルームが形成されると推定された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Urabe J.: "Effects of phosphorus supply on phagotrophy by the mixotrophic algae Uroglena americana (chrysophyceae)"Aquat. Microb. Ecol.. 18. 77-83 (1999)

  • [文献書誌] Urabe J.: "Regulation of the relationship between phytoplankt-n (Scedenesmns actus) and heterotrophic bacteria by the balance of light and nutrients"Aquat Microb. Ecol.. 17. 27-35 (1999)

  • [文献書誌] Urabe J.: "Light, nutrients and primary productivity in Lake Biwa: an evaluation of the current ecosystem situation"Ecol. Res.. 14. 233-242 (1999)

  • [文献書誌] Urabe J.: "Temporal and vertical difference in factors limiting growt rate of heterotrophic bacteria in Lake Biwa,"Microb. Ecol.. 38. 136-145 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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