研究課題/領域番号 |
10440238
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉田 護 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (70154474)
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研究分担者 |
廣瀬 哲郎 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (30273220)
杉浦 昌弘 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (80027044)
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キーワード | タバコ / ラン藻 / 葉緑体形質転換 / 葉緑体 / 低分子RNA / 原色素体 / 光合成 / DNA |
研究概要 |
葉緑体DNAには光合成や転写・翻訳などに働くおよそ100種類の遺伝子と未だ機能のわからないオープンリーディングフレーム(ORF)が多数存在する。本研究はタバコの葉緑体ゲノムに存在するORFの機能を解明すること、及び新規の低分子RNA遺伝子を探索しその機能を解明することを目的とする。 (1) タバコ葉緑体ORFのうち、保存ORFであるycf1(orf1901)、ycf2(orf2280)、ycf5(orf313)、ycf6(orf29)の転写単位を明らかにした。ycf5とycf6は緑葉(葉緑体)でその転写物が検出されたが、タバコ培養細胞BY-2(原色素体)では検出されなかった。このことはycf5とycf6が光合成機能を担っている可能性が高いことを示唆している。ycf1とycf2の転写物は葉緑体と原色素体でほぼ同レベル蓄積していることを明らかにした。 (2) ycf1、ycf2、ycf5、ycf6の遺伝子コード領域をaadA遺伝子(スペクチノマイシン耐性を付与する)で置換した遺伝子ターゲッテイングのためのプラスミドを作製した。これらのプラスミドをタバコの葉にパーティクルガン法で導入した。現在、ycf1ノックアウトタバコと想定される葉緑体形質転換タバコが得られた。 (3) 葉緑体と進化的に近い光合成細菌の一種であるラン藻の低分子RNA10SaRNA(tmRNA)ホモログの存在を明らかにした。タバコ葉緑体ゲノムにも10SaRNA遺伝子が存在するかどうかを相同性検索したが、相同配列を見い出すことができなかった。
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