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1998 年度 実績報告書

高等植物光屈性の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 10440242
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪市立大学

研究代表者

飯野 盛利  大阪市立大学, 理学部, 助教授 (50176054)

研究分担者 植松 千代美  大阪市立大学, 理学部, 助手 (30232789)
樽井 裕  大阪市立大学, 理学部, 助手 (00236770)
キーワード光屈性 / 光信号伝達 / 青色光反応 / イネ / トウモロコシ / 幼葉鞘
研究概要

本研究は、高等植物の光屈性に特異的な初期反応系ー青色光受容からオーキシン横輸送までに働く一連の分子系ーを、その遺伝子から解明することを目的としている。本年度は、次の2つの研究を進めた。(1)イネ光屈性欠損突然変異体を用いた研究。私たちは既に、幼葉鞘の光屈性が欠損したイネ突然変異体を分離している。本年度は、この突然変異変異体の性質を更に詳細に調べて、幼葉鞘における正の光屈性はどの光強度においても起こらないこと、根における負の光屈性も異常であること(ただし、正常種の1/4の反応は起こること)、幼葉鞘と根における伸長成長と重力屈性、根で観測される回旋運動は全く正常であることを明らかにした。更に、青色光受容体として同定されている2種のアラビドプシス遺伝子(CRY1、NPH1)と相同な遺伝子の発現について調べたところ、それらのmRNAは正常に発現していることが判明した。変異を受けている遺伝子はこれら以外のものであると考えられる。現在、その遺伝子を同定するための研究を進めている。(2)光受容機能再生系を用いた研究。トウモロコシ幼葉鞘の光屈性において、光受容はその先端5mmの部分で行われている。私たちは、その先端部を切除すると、残された幼葉鞘の先端部に光受容機能が再生することを既に見出している。本年度は、先端切除後に特異的に発現するmRNAをサブトラクション法(Clontech,PCR-Select Subtraction method)によって解析した。まず、この方法によって、3つの新規なcDNA断片を得ることができた。次に、ノーザンブロット法により、いずれの断片も先端切除によって特異的に発現することを確認し、更に、幼葉鞘先端には発現していることを明らかにした。従って、分離したcDNAの遺伝子は、先端切除で発現が誘導されるだけではなく、先端特異的に発現しているものであることが分った。現在、分離したcDNAをプローブとして、全長cDNAを単離し、その塩基配列を解明する研究を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] X.Wang and M.Iino: "Interaction of cryptochrome 1,phytochrome and ion fluxes in blue-light-induced shrinking of Arabidopsis hypocotyl protoplasts" Plant Physiology. 117/4. 1265-1279 (1998)

  • [文献書誌] K.Haga and M.Iino: "Auxin-growth relationship in maize coleoptiles and pea internodes and control by auxin of the tissue sensitivity to auxin" Plant Physiology. 117/4. 1473-1486 (1998)

  • [文献書誌] Y.Tarui and M.Iino: "Autotropic straightening:occurrence during gravitropism and phototropism of oat coleoptiles" Advance in Space Research. (発表予定). (1999)

  • [文献書誌] M.Iino: "Phototropism in higher plants.In:Comprehensive Series in Photosciences(Eds.,D.-P.Hader and G.Jori)" Elsevier Science(発表予定), (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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