研究概要 |
本年度は本研究の基礎となる肺魚(オーストラリアハイギョ)の脳下垂体糖タンパク質ホルモンのサブユニットの前駆体分子のcDNAのクローニングの研究と,肺魚類に系統上関係の深い両生類の同子分のcDNAのクローニングの研究をまとめ,論文として発表した。 その結果肺魚類のcDNAの塩基配列およびアミノ酸配列を他の脊椎動物と比較することが可能となり,意外にも肺魚類は(新たに調べたアフリカヘイギョも加えて)哺乳類や鳥類に近く,一般の硬骨魚類とは遠い関係となることが明らかとなった。 この事実を説明する可能性の一つとして,一般の硬骨魚類は進化速度が速くなったため,他の魚類とは大きく異なったことが考えられる・そこでこの仮説を確めるため,ドチザメのαサブユニットのクローニングを行ないその構造を調べた結果,この仮説が支持される結果を得た。
|