研究課題/領域番号 |
10450005
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
龍山 智栄 富山大学, 工学部, 教授 (90019208)
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研究分担者 |
丹保 豊和 富山大学, 工学部, 助教授 (00167511)
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キーワード | シリコン基板 / インジゥム / アンチモン / 表面再構成構造 / 交互吸着 / インジゥムアンチモン / ヘテロエピタキシャル成長 / 吸着率 |
研究概要 |
昨年度は、Si(001)及び(111)表面上に1原子層オーダーのIn及びSbを交互に吸着させたとき、表面再構成構造、原子再配列構造がどのように変化するかを調べた。本年度はそのような初期の表面再構成構造がSi基板上のInSbのヘテロエピタキシャル成長に与える影響を研究した。 1.Si(001)-In(4x3)上でのInSbのヘテロエピタキシャル成長 InとSbを190-250℃の基板温度範囲でSi(001)-In(4x3)上に共蒸着し、In(4x3)構造なしで成長させた場合と比較した。X線回折パターンのInSb(004)ピーク強度は、In(4x3)上では、210℃で最大となり、その後急激に減少した。また、In(4x3)を用いず、直接蒸着した場合、温度依存性は同様な傾向を示したが、回折強度ははるかに小さく、低温度領域(210℃以下)では、In(4x3)構造はInSbのヘテロエピタキシャル成長を大きく促進することを明らかにした。 2.Si(111)-In(4x1)上でのInSbのヘテロエピタキシャル成長 Si(111)-In(4x1)上に170-300℃の基板温度範囲でInSbを蒸着し、In(4x1)構造なしで成長させた場合と比較した。(001)面の場合と異なり、In(4x1)構造の存在はむしろ、InSbのヘテロエピタキシャル成長にとって、マイナスに働くことを見出した。In(4x1)構造が存在するとき、この上に共蒸着されたInとSbのうち、SbはInと置き換わって秩序構造を形成するためInの吸着率を下げ、そのためヘテロエピタキシャル成長が阻害される。これに対し、In(4x1)構造なしに直接蒸着された場合、Sbは秩序構造を形成することなく、Inと結合し、InSb薄膜としてヘテロエピタキシャル成長するものと考えられる。
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