本研究で得られた主な成果を以下に要約する。 ・K_2Al_2B_2O_7(KAB)結晶はヴィッカース硬度約300の機械的強度を持ち、他の非線形光学結晶CLBO(ヴィッカース硬度約270)に比べて加工が容易に行えることを明らかにした。 ・溶液の高粘性が良質な単結晶育成を妨げていたため、K_2CO_3とハロゲン化物の添加を行い粘性低下を試みた。920℃において約4200cPの粘性であった溶液に、K_2CO_3成分、NaFを添加し、約1200cPまで粘性を低下させた。KF、LiClの添加でも同様な効果が確認された。 ・溶液粘性等の育成条件を最適化させることで、4×3×2mm^3のバルク単結晶を育成することに成功した。従来の薄板結晶に比べて立体的なものが得られたため、波長変換素子の切り出し、研磨が行えるようになった。 ・単結晶を用いてNd:YAGレーザー(波長:1064nm)の第2高調波を行い、タイプ1の位相整合名がθ=28°であることを明らかにした。また、結晶形状と誘電主軸との関係を明らかにした。
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