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1999 年度 実績報告書

カンチレバーの高次振動を用いる超音波原子力顕微鏡によるナノメカニカル物性計測

研究課題

研究課題/領域番号 10450015
研究機関東北大学

研究代表者

山中 一司  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00292227)

研究分担者 中野 禅  通商産業省工業技術院, 機械技術研究所, 主任研究官
三原 毅  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20174112)
キーワード超音波 / 原始間力顕微鏡 / マイクロマシン / 弾性率 / カンチレバー / たわみ振動 / 高次共振 / 非破壊検査
研究概要

a)カンチレバー振動及び探針の制御
超音波AFMでは試料の弾性率が変化すると接触弾性が変化し、共振周波数が変化する。そこで微小な弾性率の変化を高感度に計測するには、Q値が高い先鋭な共振スペクトルが得られる必要がある。しかし振動振幅が大きいと接触の線形性が失なわれ、共振のQ値が見かけ上低下する。そこでシグナルアナライザにより励起周波数から周波数変換された成分の強度をモニタし、これが一定値以下になるよう振動励起電圧を決定して接触の線形性を保証する制御方式を開発した。またこの状態で計測される共振周波数の接触荷重依存性を精密に計測するため、試料び垂直方向の位置制御機構を改良した。
b)表層の物性計測
電子素子の高度化に伴って加工技術も進展し、延性モード的研削、プラズマエッチ法など低損傷の加工法が注目されるようになった。このようなウエハでは表面粗さのみでなく加工変質層深さが評価対象となり、結晶表面下0.5μmの深さにある転位やき裂が問題となる。そこで超音波AFMにより加工表面の弾性率分布の計測と欠陥の観察を行った。
まず、モデル試料としてグラファイト単結晶を取り上げ、表面下の欠陥の観察を行った。その結果、へき開面の平坦なテラスの表面下にある転位の観察に成功した。荷重を増加させると転位は変形し、除荷により復元する可逆的な変化と復元しない不可逆な変化の両方を観測した。
次に PACE(Plasma Assisted Chemical Etching)法により加工したシリコンウエハの表層の弾性特性を評価した結果、鏡面研磨したシリコンより接触弾性が低下しており、共振周波数の荷重依存性が、深さ方向に弾性率が変化する有限要素モデルにより説明できたことから、加工変質層があると推定した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Yamanaka: "Quantitative elasatlcity evaluation by contact resonance in an atomic force microscope"Applied Physics A. 66. 313-317 (1998)

  • [文献書誌] K.Yamanaka: "Quantative material characterization by ultrasonic AFM"Surface and Interface Analysis. 27. 600-606 (1999)

  • [文献書誌] K.Yamanaka: "Nano-scale eiasticity measurement with in-situ tip shape estimation in atomic force microscopy"Review of Scientific Instruments. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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