研究課題/領域番号 |
10450021
|
研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
|
研究分担者 |
小野 泉 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 研究員 (70288562)
石川 憲一 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 研究員 (90288556)
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
|
キーワード | トンネル顕微鏡 / ツインプローブ / 電気特性 / 電気伝導 / STM / 表面 / SEM / 慣性駆動 |
研究概要 |
本研究では、任意に与えられたナノ領域、ナノ構造の物性、特に電気的な特性をきわめて高精度に測定するための新しい測定装置を開発することを目的としている。装置は2つのトンネル顕微鏡(STM)を合体させたツインプローブ型トンネル顕微鏡であり、これらを独立に操作することにより対象構造物の電気特性を測定する。ツインプローブ間の干渉をできるだけ少なくし、またプローブの自由度を大きく保つために、本研究では尺取り虫型の粗動機構を用いる。またこの方式では、測定試料の前面がオープンスペースとなるため、走査電子顕微鏡(SEM)に組み込むことにより任意の位置決めが容易となる。またプローブ自体も通常のものとは違いアスペクト比を増大させたものを独自に開発していく。今年度の進行状況は以下の通りである。 (1) 尺取り虫型ツインプローブユニットを設計し、試作した。しかしながら、装置の耐震性にいくつか問題があり、現在ユニットを改良、調整中である。 (2) キーポイントとなる探針の作製であるが、走査電子顕微鏡内での電子ビームを用いたナノ加工技術を駆使し、通常のエッチングにより作製したメタル探針の先端に、20nm程度の加工を自由におこなうことが可能であることを見いだした。この技術により干渉の少ないツインプローブを作製することができる。 (3) 電気特性測定のための試料の作製に関する研究として、シリコン(110)面の自己組織凹凸構造上にフラーレンなどを吸着させる実験を試みた。フラーレンは凹凸構造にそって吸着する傾向がある。今後は分子操作技術によりフラーレンを任意に配列させ、この部分に流れる電気伝導度の測定を本装置を用いて行っていく。
|