研究概要 |
本研究の目的は,超短パルスレーザー光の多光子吸収を利用して,フォトリフラクティブ結晶やGe・ドープシリカガラスなどの中に数μm〜10数μm径の損傷部分を形成させ,その屈折率変化の機構解明と,光導波路,分岐路,交差路および微小ブラッグ反射器などの微小光学要素を試作・評価することである.本年度に得られた知見(成果)は以下の通りである. 1. 光微細加工台とその加工結果の評価光学系と完成させた. 2. 材料として永続的な屈折率変化が期待できるシリカガラスに,新たにポリカーボネート樹脂,メタクリル樹脂を加え,光微細加工台を用いて先導波路の加工実験を行い, ・ シリカガラスで,4x10^<-3>, ・ ポリカーボネート樹脂で,1x10^<-2> ・ メタクリル樹脂で,4x10^<-2> の屈折率変化を観測した.これらは,先導波路の作製に十分な屈折率変化である. 3. シリカガラス中にY型分岐を作製し,ひとつの入力光束を約2:1の強度比を持つふたつの光束に分離できることを確認した. 4. 屈折率変化の機構解明のための時間分解観測光学系の検討と予備実験を行い,観測光学系にシュリーレン光学系を用いることが可能であることが分かった. 5. 以上の結果は,Optics Letter誌にすでに投稿中である.また平成11年春の応用物理学会で発表する予定である.準備段階の成果は研究発表の項にリストしている.
|