研究課題/領域番号 |
10450035
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
山口 益弘 横浜国立大学, 工学部, 教授 (10018046)
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研究分担者 |
後藤 恒昭 東京大学, 物性研究所, 教授 (30005962)
山本 勲 横浜国立大学, 工学部, 助手 (40242383)
島津 佳弘 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (70235612)
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キーワード | 磁場効果 / 金属水素化物 / 同位体効果 / 磁気-圧力効果 / 磁場濃淡電池 / 強磁場 |
研究概要 |
1.LaCo_5H_xで作製した電極を組み合わせた電池の起電力に対する勾配磁場効果を測定した。15Tまでの磁場中でそれぞれの電極位置での磁場の差に対応する起電力が得られ、磁場濃淡電池として動作することを報告した。 2.LaCo_5(H、D)_4の平衡圧を30Tまでの静磁場下で測定した。293.2Kで、無磁場の時の水素化物の平衡圧は463kPaであったが、30Tの磁場を印加することによって平衡圧は567kPaに増加した。1.22倍の平衡圧の増加は、水素化物あるいは重水素化物単体についてこれまでに得られた圧力変化に比較して小さいことから、水素吸蔵合金内部では高濃度水素化物と低濃度重水素化物が共存していると考えられる。 3.水素+重水素の混合ガスから磁場を有効に利用して重水素ガスの濃縮する方法を検討した。LaCo_5を1:1の混合ガスと接触させ、30Tまでの磁場中で平衡ガスを採取し分析した。磁場の増加とともに成分の変化(H_2/D_2比の減少)が起こり、同時に磁場によるHDガスの出現が観測された。水素同位体の分離濃縮に磁場が作用することを確認した。 4.大きな磁場効果を示す材料を開発するために、高圧水素圧力下で水素濃度をコントロールしながら磁化を測定できる装置を開発した。5MPaまでの水素雰囲気中でPrCo_5H_xの磁化測定(引き抜き法)を行った。室温付近では、β+γ領域で磁化の水素濃度依存性は大きく、LaCo_5H_x以上の磁場効果を示す材料であることが期待される。 5.磁場効果を理論的に展開し、化学反応熱に対する強磁場効果を導き出した。LaCo_5の水素化反応熱は磁場により変化することを予測した。実験的に反応熱を測定し、変化の方向が理論的予測と合致していることを確認した。
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