研究課題/領域番号 |
10450037
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高井 義造 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30236179)
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研究分担者 |
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
木村 吉秀 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70221215)
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キーワード | ホローコーン照明 / 焦点位置変調型画像処理 / 能動型画像処理 / 球面収差補正 / 非点収差補正 / コマ収差補正 / 無収差観察 / 超解像電子顕微鏡 |
研究概要 |
本研究は、これまで開発してきた能動型焦点位置変調法をホローコーン照明下に対しても適用できるように拡張し、色収差と球面収差の影響を同時に除去した超解像位相差電子顕微鏡法を開発することを目的としている。本年度は3年の研究計画の2年目にあたる。 初年度には高精度ホローコーンシステムを自作して、既設の電界放出型電子顕微鏡(HF-2000F)の各種偏向コイル系を能動的に制御できるように改良した。 本年度は高精度ホローコーンシステムの調整と基礎実験を実施すると共に、通常の軸上照明下における実時間処理について検討した(ホローコーン角を0度にした場合に相当)。 これまでに得られた成果を以下に列記する。 (1)電子顕微鏡本体を調整して振動の影響を極力押さえることにより、通常の軸上照明で0.12nmの分解能を達成した。この結果はホローコーン照明を実施した場合、0.1nmを上回る分解能かミ達成される可能性を示唆している。 (2)電子顕微鏡と浮遊型高圧電源をコントロールする能動型変調制御システムを改良し、オリジナル像、収差補正位相像と振幅像が4/30秒の時間分解能で同時に表示できるようになった。その結果、 (3)位相変化量が定量的に議論できるようになり、試料の厚さ情報や元素種が同定できる可能性が出てきた。 (4)金の草原子鎖の無収差位相像の実時間観察に成功した。この結果は、本手法の表面化学への応用の道を拓くもので、現在論文を執筆中である。
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