研究概要 |
本研究は平成10年度の追加採択分としてとり上げられた。そのために、核となる備品の納入は平成11年に入ってからであった。従って本年度の研究期間は短かったが、次のような実績を得ている。 1.購入した装置「表面形状測定顕微鏡」の性能を実際にチェックし、期待通りの性能を有することを確認した。 2.エポキシ樹脂を試験材として、高速脆性破壊における破壊面の形成過程と速度・加速度,応力拡大係数との関係についての研究を開始した。加速度が正からゼロを経て負にいたるような試験材形状を考案しているが、それを用いている。速度・加速度,応力拡大係数は、コーステック法をとり入れた二像面高速度撮影により求めた。 3.破断後の破面の中央部の粗さを上記顕微鏡で間欠的に走査し、平均的粗さと破壊速度,応力拡大係数との関係を求めた。その結果、破壊速度の変化が常に先行し、ついで応力拡大係数と粗さの変化がその後を追うことが確かめられた。 4.応力拡大係数と粗さの相関関係が高いが、両者が同じような時間的位相関係にあるか否かは明確ではなく、今後の研究テーマの一つである。
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