研究課題/領域番号 |
10450038
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 清 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10010795)
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研究分担者 |
東藤 貢 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (80274538)
新川 和夫 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00151150)
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キーワード | 脆性破壊 / 粗さ / 破面解析 / エポキシ樹脂 / 応力拡大係数 / 破壊速度 |
研究概要 |
本代表者らのこれまでの研究は、アクリル樹脂(PMMA)については分子量が 100万〜200 万のもの(キャスト成形)また予き裂は鋭いものが中心であった。一方分子量が 40 万(押出し成形)程度に減少すると高速破壊の破面形成過程に著しい違いが起こるという結果をこれまでの予備実験で得ている。 この年度は主として(1)PMMA の分子量の違いが高速破壊の速度(a)、加速度(a)、粗さ(λ)、応力拡大係数(K_<ID>)、動的パラメータ(R^*a、単位時間、単位幅当りの破壊エネルギー)の関係にどのように影響を与えるか、(2)予き裂に種々のものを採用して破壊速度域を大幅に広げたときに力学的な諸パラメータの関係がどのようになるか、について研究した。 試験片形状は従前のものと同じく、高速破壊の前半で加速、後半で減速するような形状を採用した。ノッチ先端はクラック状、V字状、U字状の3種を採用した。 研究の結果から低分子量PMMA の高速破壊における破面形成過程の特徴として次のようなことが明らかとなった。 (1)破壊速度が375m/s前後でなめらかな破面が唐突に粗い破面に変わる。粗い破面は200〜300μmの幅の繰り返し凹凸模様から成っている。 (この成因の物理的メカニズムは明らかではない。) (2)3種類のノッチの採用によりa(100〜650m/s)、K_<ID>(2〜5MN・m^<3/2>)、λ(0〜23μm)をそれぞれ大幅に変化させることが出来る。 (3)これらの全領域を通して、λとK_<ID>は、ほぼ線形関係にある。 (4)同じくλとaの関係は2次曲線で表わせる。 (5)同じくλとlog(R^*a)の関係は線形関係にある。 今後は以上の関係について、特に、加速度がどのように影響を与えているかについて研究を進める予定である。
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