本研究ではSn-Ag-Cu(Bi)系Pbフリーはんだマイクロ接合部の疲労強度試験と応力・ひずみ評価手法の確立を図り、表面実装部品Pbフリーはんだ接合部の強度評価法を確立することを目的としている。 本研究の内容と特色を具体的に示せば、以下のようになる。 (1) Sn-Ag-Cu(Bi)系Pbフリーはんだの弾塑性、クリープを含めた力学的特性の計測手法を確立すること。 (2) Sn-Ag-Cu(Bi)系Pbフリーはんだマイクロ接合部の応力・ひずみ解析手法を確立すること。 (3) 試験条件および試験片の設計によって効率的な熱サイクル疲労試験法を開発すること。 (4) 熱サイクル疲労試験の加速試験法として機械的疲労試験法の開発を行うこと。 本年度で得られた研究結果は以下のようになる。 (1) Sn-Ag-Cu(Bi)系、Pbフリーははんだの基本材料特性を計測した。 ・各温度における縦弾性系数などを計測する。 ・単純重ね合わせはんだ継手を用いてSn-Ag-Cu(Bi)系、Pbフリーはんだの弾塑性およびクリープにする材料特性を計測した。 (2) (1)で得られたPbフリーはんだの基本的な機械的特性を用いてはんだマイクロ接合部の弾塑性・クリープ解析を行った。各種はんだマイクロ接合部の応力ひずみ評価を行い、熱サイクル疲労負荷を受けるはんだマイクロ接合部に生じる非線形ひずみの履歴を明らかにした。 (3) 熱サイクル疲労試験の温度変化を受けるSn-Ag-Cu(Bi)系Pbフリーはんだマイクロ接合部に生じるひずみの履歴を再現できるような機械的疲労試験について検討し、その試験方法を確立する。
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