研究概要 |
研究計画の最終年度に当たる本年度は,ゾル・ゲル法によるコロイダルシリカ研磨剤の製法の完成と,CMP作用機構の解明を目指した.その結果,次のような成果を得た: (1)ゾル・ゲル法によるコロイダルシリカの安定した製造のための制御因子(条件)をほぼ把握することができた.このことによって,シリカ粒子径の制御と粒度分布の調整を実現する見通しを得た. (2)CMPを支配するのは,粒子そのものはもちろんのこと,パット材質とpHがそれ以上に大きな効果を及ぼす. (3)CMPのメカニズムにとって,すなわちスラリーと工作物の反応はCMP研磨作用にとって重要であるが,それと同様あるいはそれ以上に,パッドの物理的・化学的挙動が重要な役割を果たしていると推測される. (4)CMPにとってパッドの主要機能は,液膜厚さの変化と砥材粒子の吸着効果であることが結論できる.この仮説に立つと,これまで観察された複雑なCMP現象が全て理解できる. (5)本研究の成果から,メタルCMPスラリー開発の具体的手掛かりを得ることができた.
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