微小物体の機械加工および組立のための力制御が可能な磁気浮上形2本指マイクロハンドの開発を目的とする。マイクロハンドは機構に拘束された2本の指からなる基本構造とする。このため下記の研究を行った。 1. 機構 3自由度を有し、加工工具の方向を一定に保つことを特徴とする平行運動機構を試作した。同機構は過拘束な機構にも拘わらず滑らかな動作を実現できた。次年度は新しい発想に基づく機構を設計製作する。 またエンドエフェクタを直接駆動するための線形特性を有する電磁アクチュエータを設計試作した。基本特性を実験的に調べた結果、目標を達成できた。少なくとも非金属の物体の穴あけ加工に必要な駆動力を発生できた。また良好な線形特性が得られた。 2. 制御 従来使用していた渦電流式センサに代り、レーザ変位センサを用いることにした。応答性を改善するために時間を要したが、アナログ出力とデジタル出力を併用することで応答性と精度をともに満足な結果が得られた。 制御系に関しては、外乱オブザーバを構成して遠心力や摩擦などの補償を行った。遠心力の補償については良好な結果が得られ、ついで接触作業における摩擦の補償に適用を行っている。 3. 作業実験 マイクロモータを取付けて穴あけ実験を行い、木材の穴あけを実現した。金属の穴あけに関してはモータのトルク、回転数の向上が必要であり、今後検討を進めることとした。
|