研究概要 |
医療,バイオ,マイクロマシンにおける加工および組立のために,磁気浮上形2本指マイクロハンドの開発を目的としている.特徴は,磁気サスペンション技術を用いることにより,力制御が可能であることである.本年度は2本指マイクロハンドの開発を行った.本ハンドは滑らかな3自由度の平行運動が可能な2本指のリンク機構からなり,従来のてこ機構では不可能であった加工を行なうことを目的として開発したものである.また昨年度試作の指機構に比べ小型化を達成した.これにセンサー,磁気アクチュエータを取り付け,過拘束である本機構の精度等の運動特性を調べた.また力学解析によってカウンターバランスの配置について検討を加えた.また接触作業のための制御系を開発するため,従来のてこ機構を用いた指機構に対して,外乱オブザーバ制御系を設計し,接触作業として微小作図作業に適用し評価を行なった.位置測定分解能は1μmのセンサおよびインタフェースを用いたとき,微小接触力において位置決め精度±数μmを達成したが,より大きな接触力に対する性能向上を図る必要があることが分かった.コイル電流を大にするか,超伝導磁石を用いることによってより強力な駆動力を得ることができる.また,本年度試作のマイクロハンドを用いた加工法について,加工の専門家を交えて検討を加えた.さらに制御性能向上のために制御装置の購入,作業実験のために防振台および油圧式拡幅機構の購入を行い,実験環境を整備した.
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