研究課題/領域番号 |
10450069
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福西 祐 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60189967)
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研究分担者 |
中橋 和博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00207854)
小濱 泰昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (60006202)
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キーワード | ピエゾフィルム / 薄膜アクチュエータ / 能動制御 / T-S波 / 斜行波 |
研究概要 |
本研究は、薄膜アクチュエータとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルムを用いることで、抵抗の増加分を極めて小さく抑えられるほどの薄さのアクチュエータにより流れを制御しようとする試みである。制御対象としては、遷移過程にある平板境界層中に任意のトルミーン・シュリヒティング波(以下T-S波)および斜行波が生成することを目標とおいている。 研究においては、平板境界層の遷移過程の制御を試みる前の予備実験として、外乱に対する流れの応答の強さである受容性が高いことが知られているはく離流を対象にし、同じ薄膜アクチュエータを用いて2次元的な波動や斜行波を導入する基礎的な実験から始めた。その結果、薄膜アクチュエータ制御によりほぼ思い通りの2次元波や斜行波を導入することができるものの、薄膜アクチュエータ製作時の小さな歪などが流れに大きな影響を与えてしまうこと、スパン方向に並べたアクチュエータ間の継ぎ目の部分から乱れが流れの中に入り易いことが明らかとなった。 その後平板境界層の遷移過程の制御の試みも始められた。遷移境界層においては、厚さが0.5mm以下の薄膜アクチュエータといえども乱流遷移のきっかけになりうるため、アクチュエータの製作には細心の注意が必要であることが明らかとなった。特にアクチュエータ間の継ぎ目の部分からの乱れの生成が大きく、薄い粘着テープにより継ぎ目を押さえるなどの対策の必要があった。しかしながら、狭い条件下ではあるがT-S波・斜行波を生成することに成功した。
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