研究課題/領域番号 |
10450070
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
尾池 守 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (70292282)
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研究分担者 |
石本 淳 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (10282005)
辻本 良信 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50112024)
松本 洋一郎 東京大学, 工学系研究科, 教授 (60111473)
上篠 謙二郎 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90282003)
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キーワード | 極低温流体 / 気液二相流 / 管内不安定流動 / 分散性混相乱流 |
研究概要 |
本研究は、液体ヘリウム管内二相流れの不安定流動現象に関する実験的検討を行い、その影響因子を同定し、数値解析モデルの構築及び検証に必須となるデータを取得するとともに、構築された数値解析モデルに基づく数値シミレーションにより評価基準の確立を目的とする。今年度行った研究の概要を以下に示す。 実用上有意義である高レイノルズ数領域における液体ヘリウムの管内気液二相流の発生・流動状態を可視化画像計測するため、配管中に設けた絞り部とその下流部に透明耐熱性特殊ガラス製の真空断熱二重配管を装着した、加圧ブローダウン方式による極低温混相流動試験装置の設計・製作を進めた。液体窒素を模擬流体とした極低温流動試験を行い、高速度VTR及びPIVを用いた高精度画像計測法により管内極低温沸騰気液二相流の流動場を二次元的に計測し、気・液各相の流速分布・圧力分布及びボイド率分布等に代表される二相流動場の特性を把握する手法の確立を図った。さらに、数値解析モデルを構築するために必要な基礎資料を取得した。 分散性混相乱流のLESによる数値解析手法の構築に関しては、既存のEuler-Lagrangeモデルを拡張することにより定式化を行うとともに、分散相のSGSへの寄与を局所的な密度変化として相体積分率に考慮したSGS応力成分についての構成方程式を導出した。また、本計算コードを用いて従来の単相流における直接計算結果や他者の計算結果との比較を行うために、それぞれの計算方法に合わせた解析を行った。その結果、乱流統計量や相分布について良好な一致が示された。さらに、体積率の保存性に配慮したtwo-waycoupling法を用いて、ボイド率が1%の管内の気泡流乱流に適用した。乱流の大規模渦に気泡が輸送される影響が強い場合と、浮力の影響によって気泡の直進運動が卓越する場合を対象にして数値解析を行い、気泡径や重力が乱流統計量や相分布などに及ぼす影響について明らかにした.
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