研究課題/領域番号 |
10450077
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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研究分担者 |
小林 弘祐 北里大学, 医学部, 専任講師 (70153632)
小林 紘一 慶応大学, 医学部, 教授 (80051704)
池田 満里子 慶応大学, 文学部・生物学, 教授 (00051368)
菱田 公一 慶応大学, 理工学部, 教授 (40156592)
岡 浩太郎 慶応大学, 理工学部, 助教授 (10276412)
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キーワード | 生物流体力学 / 分岐管 / 振動流 / 対流レゾナンス / 軸方向輸送 / 気道 / 呼吸力学 |
研究概要 |
肺では、気管支から始まる分岐のネットワーク構造の気道内の往復流によってガスが運搬されている。そこで、本研究では、分岐部の曲率によって生じた二次流れが主要な役割をしている対流レゾナンスという現象に着目して、対流レゾナンスによるガス輸送量の顕著に増大するメカニズムを流体力学的な観点から調べ、対流レゾナンスが通常の呼吸において効果的に効いているのかを明らかにする。さらに、高頻度振動換気(HFO:High Frequency Oscillation)という人工呼吸法が、顕著なガス交換改善の効果の故に広く臨床医学的に注目されている。HFO人工呼吸法に積極的に対流レゾナンスを利用することによって、ガス交換性能の改善が期待出来る。そこで本研究では、HFO人工呼吸法への対流レゾナンスの活用に関して検討を行い、臨床的に有用な人工呼吸器を開発し、その最適施行条件について検討した。具体的には、単分岐管と多分岐管に関して実験及び数値計算を行い、特に分岐管の曲がり部に生ずる二次流れによる対流レゾナンスの効果について、軸方向拡散係数を基に検討した。その結果、分岐管においては、曲がり管と当初予測された急激な軸方向拡散係数の増加は見られないが、二次流れの強度の増加とともに、核酸係数が増加し、曲がり管での値を凌駕するところまで到達することが分かった。従って、分岐管においても対流レゾナンスの効果を有効に利用することが可能で、通常の呼吸では特に運動時では対流レゾナンスの効果が働いている可能性が高い.
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