研究課題/領域番号 |
10450081
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 勲 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10170721)
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研究分担者 |
斉藤 卓志 東京工業大学, 工学部, 助手 (20302937)
伏信 一慶 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50280996)
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キーワード | 高分子材料 / 微細構造発現 / ふく射照射 / 干渉光 / 分子配向緩和 / 熱拡散 / 複屈折パターン / 光学的機能 |
研究概要 |
昨年度の研究成果を受けて、成形途上の高分子材料に干渉ふく射を照射し、高分子材料内の極微細冷却制御を実現する方法をフィルム成形に適用して、その効果を実験的に検討した。その結果、以下の知見が得られた。 (1) 高分子フィルムの分子配向微細制御性の検証 高分子フィルムの延伸と同時に干渉ふく射照射を行い、高分子フィルム内の分子配向をパターン状に制御することで、微細な複屈折パターンがフィルム上に記録できることを明らかにした。 (2) 複屈折パターン記録のための成形条件 フィルムに分子配向(複屈折)パターンを記録するための成形条件は、前年度検討した射出成形の場合より厳しく、適切にふく射条件、ふく射照射位置、延伸速度等を設定しないと明瞭な複屈折パターンが記録できないことが明らかとなった。これは、周囲流体への熱伝達に支配されるフィルムの冷却が低温金属への非定常熱伝導によって冷却される射出成形品に比べて弱く、また供試材料のふく射吸収係数とフィルム厚さの積で決まる光学厚さが照射干渉ふく射を十分吸収するには薄すぎるため、フィルムに照射された干渉ふく射の弱部での温度低下と強部での温度上昇の双方ともが抑制され、結果として高分子材料内に形成される温度分布がより平坦になるためである。 (3) 複屈折パターンの光学的機能としての応用性 このようにして得られた高分子成形品上の複屈折パターンは光を回折させるなどの作用があり、高分子フィルムに新しい機能を付与するための手法として本手法が適用可能であることが示された。
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