研究課題/領域番号 |
10450082
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
飯田 嘉宏 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90005299)
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研究分担者 |
高島 武雄 横浜国立大学, 工学部, 助手 (40197091)
奥山 邦人 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (60204153)
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キーワード | マイクロマシン / マイクロポンプ / 沸騰 / 間欠沸騰 / 液気相変化 / 非定常沸騰 / 微小ヒーター / ポンプ作用 |
研究概要 |
本研究は、マイクロチャンネル内の液中に置かれた微小なヒーターをパルス状に高速加熱し、生じる急速沸騰を利用してのマイクロポンプを構成する方式を提案し,実際に装置作成の上試験して、その可能性を明らかにしようとするものである。 先ず、パルス加熱時の沸騰気泡の挙動を詳細に調べるために、液中に侵した細線を広い加熱速度の範囲で通電加熱し、蒸気生成・消滅挙動が3種のタイプに分けられることを示してそれらの挙動を明らかにした。また、液中に侵した微小なフイルム状ヒーターを最大1.8×10^9K/sに至る超高速で加熱した場合の沸騰挙動を調べ、加熱速度増加と共に蒸気生成量が減じることを示した。同時に理論解析を行って実験と比較した。 次いで、石英ガラス状にスパッタリングした1mm×1mm面積の平面状膜ヒーターを幅1mm、高さ0.1mまたは0.2mmのマイクロチャンネル内に設け、さらにヒーターの前後両側に流動抵抗上で非対称的形状を絞り部を設けたポンプ要素を設計製作し、一連の実験を行った。液体にはエタノールを使用した。単発加熱における実験の観察結果より、発生した沸騰気泡が流動抵抗の少ない側に非対称的に成長することを確かめ、流路面積や加熱速度などの各パラメーターに対する成長・消滅挙動を調べた。また、繰り返しパルス加熱を行った場合の流量を測定し、基本原理は異なるが同じく沸騰を利用した従来のマイクロポンプの性能に比べ、単位加熱面積当たりに最大2.1倍の流量を得た。さらに、マイクロチャンネル内複数カ所にヒーターを設け、時系列的に沸騰させてポンプ作用を得る実験を行っている。
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