研究概要 |
水の液相と非水溶性ゲスト物質の液相との接触によって形成される膜状水和物層の性状,ゲスト物質気相中への水の噴霧によりスラリー状水和物の生成,さらに,加熱による水和物塊の分解について研究を進めると共に,平成10年度以来の研究成果の取りまとめ作業を行った.各項目ごとに概要を記す. 1.水和物層厚さと物質移動の関係に関する検討:二平板間の狭隘水路中に形成させたリング状水和物層の顕微鏡観察(平成10年度実施)の結果の解釈のため,水和物層の周囲に水の三次元creeping flowを想定し,層表面からのゲスト物質の物質伝達に関する数値解析を実施した.得られた結果の整理・検討を現在進めている. 2.水噴霧による水和物の急速生成実験:前年度に引き続き,ゲスト物質気相中への水の噴霧による水和物生成の実験を実施.噴霧ノズルの形式や噴霧の姿勢が水和物生成挙動に及ぼす影響を定性的に把握することができた. 3.水和物の分解実験:水和物塊を外部からの一次元的加熱によって分解させ,その際の水和物・水・ゲスト物質3相の挙動を観察する実験を実施.なお結果の整理・検討を続行中. 4.研究結果の取りまとめ:平成10〜12年度に得られた研究成果のうち,二平板間の狭隘水路中での水和物層の顕微鏡観察,水溶性ゲスト物質による水和物の生成・分解実験,水噴霧による水和物の急速生成実験に関する成果をそれぞれ論文原稿にまとめて国際誌に投稿し,いずれについても論文掲載が決定した.
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