研究概要 |
自立型6肢リムメカニズムハードウェア並びに制御系の設計試作を行い,計算機制御による歩行とアーム動作が可能なことが確認された. 16関節を持つ2脚2腕ヒューマノイドを試作した.手先でマニピュレーションを行いながら手先の操作性とロボットの安定性を高める制御手法を提案し評価を行った.本手法により,手先の動きに連動したヒューマノイドの自律移動が実現されることが明らかになった.また,制御系のパラメータと操作性・安定性の関係を解析し,頭部搭載カメラの画像を見ながらヒューマノイドを遠隔操作する方法も提案した.操作実験により,足底の位置を移動させない作業においては,地面と肩との距離を一定に保ち手先のみを動かして作業をする方法が操作者にとって一番遠隔操作しやすいことが判明した. 多種多様なロボットの遠隔操作を実現するための仮想操作環境システムの構想を提案した.このシステムでは,コンピュータ内に操作環境を仮想的に構築し,HMDを使って操作者に提示する.実際には,仮想入力器具の位置にマニピュレータがあり,操作者はその手先を入力器具と想定して操作を行うものである.入力器具の一つとして押ボタンスイッチを取り上げ,その特性を2自由度マニピュレータと力センサを用いて模擬する方法を提案し,仮想呈示を評価した.この結果,スイッチの特性が十分呈示できることが確認できた. ヘッドマウントディスプレイの動きを検出して仮想環境を呈示する装置を試作した.この装置を用い,操作者を中心に環境の変化を呈示する方法と,対象物を中心に環境の変化を呈示する方法の2種類を提案し,それぞれの操作性について実験により評価を行った.前者は操作者の頭の動きと環境の動きの関連が極めて自然であり違和感が無いが,後者では対象物の注視したい面や方向が容易に呈示できるため,操作性が向上する可能性があることが判明した.
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