研究概要 |
屋外作業に適用可能な脚と腕を統合した6肢リムメカニズムの安定余裕を他の6足移動ロボットと比較し,全方向について優れていることを示した.試作したプロトタイプの4脚と6脚における全方向歩容を実現した.また,リムメカニズムのデッドレコニングを提案し,脚の姿勢によりロボット本体の姿勢推定誤差が異なることを示し,ウェーブ歩容時における誤差評価を行った. ヒューマノイドに作業移動を適用する場合の,脚の動作制御における着眼点および技術課題について論じた.脚動作パラメータ調整によりアームの作業能力を拡大する手段について指針を明らかにする目的より,パラメータ設定値の組み合わせが異なる脚動作を比較し,その設定値によってアームの操作性やロボットの安定性がどのように変化するかを定量的に評価した. 仮想環境を使用してオペレータが1つのアームで行なえる腕操作とロボット周りの腕操作,並びに狭地での歩行について,いくつかの呈示方法用いて操作実験評価を行った.呈示方法としては,Normal View(視点が回転の中心)とCenter View(対象が回転の中心)を用い,腕操作では対象をロボットとエンドエフェクタとした.また歩行では操作の対象はロボットとし,視点の初期位置をロボットの側面とロボットの上方の2種類とした.実験の結果から,腕操作ではCV(エンドエフェクタ対象),歩行ではCV(ロボット上方)が達成時間やオペレータのアンケート結果から操作性が良いということがわかった. 仮想操作環境(VOE)の概念を提案し,VOEの特徴と応用分野について明らかにした.特に,入力器具を操作する課題を取り上げ,実スイッチの非線形インピーダンスモデルを推定し,このモデルに基づき押ボタンスイッチをの動作特性をマニピュレータによって模擬・呈示する方法を実現した.動作実験と被験者による評価により,本手法の高い実現性が明らかになった.
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