研究概要 |
近年,パワーエレクトロニクス技術の発展により,電力用半導体素子を用いた電力・電子機器が数多く使用されるようになってきた。一般産業用パワーエレクトロニクス機器やインバータエアコン,テレビ・OA機器などの家電・汎用品が発生する高調波電流が配電系統に流入し,現代社会の新たな"公害"として早期対応が迫られている。 平成11年度では,配電系統に分散設置する電圧検出形アクティブフィルタのDSPを用いたディジタル制御システムを開発し,高調波拡大現象の抑制効果を実験により検討した。研究成果を要約すると以下のようになる。 1.電圧検出形アクティブフィルタのDSPを用いたディジタル制御システムを設計・製作した。 2.電流制御系にデッドビート制御を導入し,従来の比例制御に比べて電流制御系の周波数特性を大幅に改善できることを理論解析と実験から明かにした。 3.試作した電圧検出形アクティブフィルタと電圧形PWMインバータ(2kVA)を用いた高調波発生源を,当研究室所有の配電系統シミュレータ(3相200V40kVA/2フィーダ)に接続し,実験を行った。その結果,ディジタル制御方式は,従来のアナログ制御方式に比べて,より安定した動作を実験により確認した。 現在,これらの研究成果をまとめた論文を,電気学会論文誌に投稿準備中である。
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