研究概要 |
本研究に関する発表論文は国際会議の5件であり,他に1件の編著書も出版している。本研究の目的は,大容量高圧電動機の速度制御が可能で,出力変圧器を除去し小型高効率高性能化を目指した新しいタイプの多重化とPWM制御を併用する電流形GTOマルチレベル・インバータ(方式A)とパワーデバイスの組合わせ回路による電圧形マルチレベル・インバータ(方式B)の2種類の大容量インバータの開発を行うことである。 方式Aでは,サイリスタで構成した順変換部,順変換回路のサイリスタをPWM制御させるGTOとキャパシタから構成したエネルギーリバウンド回路およびPWM制御電流レベル2重化GTOインバータ部で構成されるインバータ装置を製作し,その制御方法を確立した。さらに,GTOインバータ部を3重化したインバータのシミュレーション実験を行い2重化GTOインバータの制御方式の原理が適用可能であることなどを明らかにした。方式Bに関しては,マルチレベル変換回路の主回路構成で,ダイオードクランプ形,フライイング・キャパシタ形,カスケード・インバータ形に分類できる。すべての方式について直流電圧レベルをいかに正確に維持調整できるかが残された課題の1つである。本研究ではIGBTを用いたイオード・クランプ形を採用して4種類の直流電圧レベルの新しい制御法を開発し,精度および応答速度などの制御性能を実機実験により確認した。 以上の結果からほぼ所期の目的を達成することができたと考えられる。
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