研究課題/領域番号 |
10450125
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
香野 淳 広島大学, 工学部, 助手 (30284160)
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研究分担者 |
宮崎 誠一 広島大学, 工学部, 助教授 (70190759)
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キーワード | シリコン量子ドット / 自己組織化形成 / フローティングゲートMOSメモリ / 室温動作 / しきい値電圧シフト / 保持電子数 / 保持電子間の相互作用 / 低電圧書き込み |
研究概要 |
自己組織化形成シリコン量子ドットをフローティングゲートとして絶縁膜中に埋め込んだMOSキャパシタを作製し、容量-電圧(C-V)特性、電流-電圧(I-V)特性及び電流-時間(I-t)特性からドットの電荷保持状態及び電子放出特性を明らかにした。具体的には、SiO_2(3.5nm)/p-Si(100)基板上にSiドットを形成した後、コントロール酸化膜としてドット上に厚さ7.5nmの酸化膜を形成した。最後に、n^+ p oly-Siゲート電極を形成してMOS構造を作製した。ドットの平均高さ及び横方向直径はそれぞれ約5nm、10nmで、ドット面密度は約5x10^<11>cm^<-2>であった。容量-電圧(C-V)特性に、ドットへの電子注入・放出を反映したヒステリシスが再現性よく観測された。ドットへの電子注入後或いは電子放出後、各ゲート電圧Vgにおける容量の過渡特性を測定し、Vg=-0.7〜+0.7Vの間で注入電子がドット中に安定に保持されることを明らかにした。電荷放出にともなうI-t特性から、Vg=OVで安定に保持されている電荷量はドット当たり平均約1個に相当することを明らかにした。また、I-t特性及びdI/dt-t特性の解析から、ドットからの電子放出が、ドットに保持さた電子間相互作用のため、多段階的におこることが分かった。また、フローティングゲートMOS構造中のポテンシャル分布を2次元シミュレーションし、Siドットフローティングゲートの方が、連続体層のフローティングゲートよりもフラットバンド電圧シフト量が大きくなることを明らかにした。更に、Si量子ドットフローティングゲートMOSトランジスタを作製し、室温でのメモリ動作を確認した。また、ゲート電圧1V以下で書き込みできることが分かった。
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