研究概要 |
本年度実施計画のうち、InAs/GaAs積層量子ドットの作製条件適正化に関しては、GaAs層の適当な厚さは、InAs量子ドットの高さとその2倍の寸法の間であることが確認された。結果については、J.Electronic Materials,Vol.27(1998)427-432にまとめている。超高真空対応走査型顕微鏡の改良に関しては、各種調査の結果、cathodoluminescence型、photoluminescence型があり、各々検出能力、空間分解能について一長一短があり、評価対象の波長が確定次第行なうのが良いことが分かった。 GaInN/GaN、AlGaN/GaNの試料作製に関しては、若原昭裕助教授が分担し、いずれも量子構造を作製するに必要な結晶を作製し得て、発光機能を調べるところである。 以上の課題に並行して、Ga_<0.5>In_<0.5>P/GaAsの発光機能を調べた。当初Ga_<0.5>In_<0.5>P/GaAsには、GaP/InPの一分子層自然形成超格子が存在し、発光機能の増大が期待された。GaPとInPの格子不整合から来る歪のために、圧電効果による電界が発生し、シュタルク閉込め効果によって、発光が抑制されることが明らかとなった。この実験結果は、今後量子構造の半導体による発光機能増大に留意すべき点である重要な知見を得た。
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