研究課題/領域番号 |
10450129
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80250489)
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研究分担者 |
〓 南健 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00250481)
赤澤 正道 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30212400)
陽 完治 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 教授 (60220539)
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キーワード | 単電子 / 多数決 / 論理回路 / 集積 / シングルエレクトロン |
研究概要 |
多数決論理はしきい論理の一つであり、複雑な論理をプール代数よりも簡単な構成で実現できる。本研究では単電子回路による多数決ゲートの構成法を提案した。この多数決ゲートでは、キャパシタアレイで入力総和をとり、単電子インバータでしきい動作を行う。CMOS回路を用いた多数決ゲートよりも回路規模が小さい。理論解析により、ゲート回路を構成するためのパラメータ設計方針を明らかとした。次に複数のゲート回路を組合せて加算器やパリテイ発生器などのサブシステムを設計し、その動作をシミュレーションで確認した。以上により、単電子回路で多数決ゲートとサブシステムを構成することの見通しを得た。 続いて、熱雑音による誤動作の見積りを行った。単電子回路では熱雑音による不要な電子トンネルが発生し、これが出力反転を引き起こして誤動作を生じる。そこで、出力の論理値を一定期間の平均で判定する動作方法を提案した。その方法を用いると温度1Kまでは正確な論理動作が可能となることを示した。
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