研究概要 |
エキシマレーザーを用いて瞬間的にドーパントを拡散するエキシマレーザードーピング法について,ZnSeおよびCdTeを用いて低抵抗p型の半導体層を得ることを行った.ドーパント原料としてNa_2SeまたはNa_2Teを,当研究室でGaAs基板上に成長したZnSe,CdTeやそれぞれの単結晶上へ抵抗加熱により真空蒸着した後,窒素雰囲気3〜5気圧に加年してエキシマレーザーの紫外光をドーパント原料上から照射した.そのサンプルに金電極を蒸着し,抵抗率を測定したところ両者ともに10^<-2>Ωcm程度の低抵抗率のものが得られ,金電極とドーピング層の間で良好なオーム性接触および当研究室でMOCVD成長したn型半導体との間で良好なダイオード特性が得られた.条件を変化させて検討した結果,単結晶の場合でZnSeについて100mJ/cm^2,CdTeについて90mJ/cm^2がレーザー強度の最適値として求まった. また,レーザー照射時のサンプルの温度上昇や拡散過程についてコンピューターシミュレーションによって計算し,実際のドーピング時の温度上昇を実測するため,高速デジタルオシロスコープでレーザー照射時のサンプルの抵抗変化を測定し,これらの結果からプロセスがサーマルプロセスによることが示唆された.
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