研究概要 |
本年度には,マルチメディア情報を圧縮するためのアルゴリズムとアーキテクチャの設計を行った.詳細は以下の通りである. アルゴリズム設計 マルチメディア情報を低消費電力でかつ効率よく圧縮するためのアルゴリズムの開発を行った.アルゴリズムは,C言語で記述し,現在の最高速プロセッサであるアルファチップを用いたワークステーション上でその評価を行った.音声と画像を統一的に圧縮するアルゴリズムとした.テキスト情報は1英数文字が1バイトの情報量を占めるため,低ビットレート領域ではその情報量を無視することはできない.ここでは,テキスト情報を音声,画像情報中に埋め込んで,その情報量を減らすことを試みた.更に,ハードウエア量・消費電力の大きい乗算,除算をアルゴリズム全体で極力減らした.現在の動画像圧縮アルゴリズムでは,圧縮伸長側のバッファ量はほぼ無限として,フレーム間の情報量にかなり差がある.これによりバッファ用のメモリ容量が多くなりシステム全体のハードウエア量を増大させる.ここでは,フレーム間の情報量をほぼ一定として,メモリ量を大幅に減らすことを考えた.PHSでの無線伝送をターゲットの一つとしてエラーに強い圧縮方式の検討も行った. LSIのアーキテクチャ設計 上記のアルゴリズムを実現するLSIを設計した.本年度は,C言語で評価したアルゴリズムをHDLによる動作記述に書き直して,その性能を確かめた.動き補償,ベクトル量子化等の行列演算を高速化するメモリベース並列プロセッサアレイと,全体の制御,行列演算以外の部分の演算を行うプロセッサ部とにわけて設計を行った.
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