研究課題/領域番号 |
10450138
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高井 幹夫 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (90142306)
|
研究分担者 |
柳沢 淳一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (60239803)
|
キーワード | 真空マイクロエレクトロニクス / 真空電子源 / 極微冷陰極 / 電界放出電子源 / 集束イオンビーム / 電子ビーム支援プロセス / ビームプロセス / イオンマイクロプローブ |
研究概要 |
本研究では、真空マイクロエレクトロニクスの基盤技術となる真空電子源として、百ナノメートル以下のゲート開口部と数ナノメートル径の高融点金属陰極を有する極微冷陰極電界放出電子源とそのアレイを、電子ビームとイオンビーム支援による化学反応を用いて形成し、極微真空電子源の実現の可能性とその特性評価を行った。具体的には、集束イオンビーム(FIB)誘起化学反応による極微ゲート構造の作製(局所エッチング)で問題となる残留汚染と欠陥の制御、電子ビーム誘起化学反応によるナノ冷陰極の形成と最適化、およびその特性評価を行った。 1. 現有電子ビーム装置によるその場加工装置の作製と冷陰極構造の極微細加工 現有の電子ビーム(EB)装置にガスインジェクション(設備備品)を装備し、極微冷陰極堆積加工を同じ真空室で行う事を可能とした。ゲート加工には、ガリウムFIB(現有)の物理スパッタとヨウ素ガス雰囲気での反応性FIBエッチングを用い、その形状加工性・加工損傷・残留汚染等についてイオンマイクロプローブ(現有)により評価し、プロセスの最適化を行った。併せて、極微構造デバイスで重要な問題であるビームプロセス汚染や加工材料構成原子の残留汚染によるゲートと基板間の極少リーク電流を最小とするためのプロセスを開発した。 2. 電子ビーム誘起化学反応によるナノ構造金属冷陰極の作製と評価 設備備品により構築した電子ビームを用い、有機金属ガス雰囲気中での極微細冷陰極(Pt)の形成を行い、これらの陰極の組成・形状を、イオンマイクロプローブ、オージェ分光により分析し、堆積プロセスのパラメータを最適化した。 3. 冷陰極表面のその場クリーニング 電子放出特性と冷陰極表面状態の依存性を明らかにするため、I-V特性計測用の超高真空室内で、ガス雰囲気電子放出およびUVレーザー(現有)照射クリーニングを行い、特性変化と表面状態の関係を明らかにし、陰極表面のミクロな最適化を行うことが出来た。
|