研究概要 |
InAs/InGaSb/InAsTypeII超格子赤外レーザの室温発振波長の長波長化のための基礎研究を行った,超格子の作製には水冷式分子線成長法を用いた.GaSbと格子整合するクラッド層、超格子活性層の成長条件の決定にX線回折による格子定数の測定とEPMAによる評価によりフィードバックした,素子設計に関する基礎検討により,クラッド層として(Al_<0.3>Ga_<0.7>)(As_<0.02>Sb_<0.98>)の成長を行った.TeとBeを用いてn型およびp型のクラッド層のドーピング条件,GaSbへのオーミック接触のための高濃度不純物のドーピング条件を決定した.次にInAs/(In_xGa_<1-x>)Sb/InAs超格子活性層の設計と成長、評価に関する研究を行った.超格子の設計では,発振しきい電流密度を低減するため、(In_xGa_<1-x>)Sb量子井戸層とInAs量子井戸層との間の圧縮歪を利用して価電子帯の軽い正孔帯と重い正孔帯の縮退を解いて正孔の状態密度を低減する構造を計算機シミュレーションにより設計した.In組成xを、miscibility gapの生じない範囲で、室温発振波長を〜3μmに対する超格子活性層を構成するInAs量子井戸、(In_xGa_<1-x>)Sb量子井戸の厚さを決定する必要があり、(Al_<0.3>Ga_<0.7>)(As_<0.02>Sb_<0.98>)をクラッド層と超格子活性層の間に挿入する構造を設計し,発振しきい電流密度、発振波長、歪補償のための理論検討に関する計算機シミュレーションによる方法を確立した.上記の設計に基づくInAs(In_xGa_<1-x>)Sb/InAs超格子活性層および歪補償層の成長と評価を行った.フォトルミネッセンス評価により3.1μmの波長を実現し,は赤外波長の室温発振波長の長波長化のための素子作製の基礎となる結果が得られた.
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