本年度は番組制作などに広く用いられているズーミングを取り上げ、立体感を損なわないズーム法について研究を行った。立体画像が歪みなく再生される条件は撮影時のカメラ間隔、焦点距離、再生時の画面の大きさ、視聴者と画面との距離などにより決まるため、カメラ間隔を変えずに焦点距離を変えてズーミングを行うと、無歪み条件が崩れ、箱庭効果や書き割り効果と呼ばれる各種の障害が起きて立体感が損なわれる。焦点距離とともにカメラ間隔を変更する方法も考えられるが、多眼画像の場合には多数のカメラを同時に移動させる必要があり、現実的ではない。そこで本研究では必要とされる再生時の解像度より高い解像度で撮影した画像の中から、適当な部分を切り出して表示することにより、箱庭効果や書き割り効果の少ない、良好な立体画像が得られることを主観評価により確認した。画像を切り出す位置としては、焦点距離に対して対数関数的に位置をずらすことにより、最適な評価結果が得られた。
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