研究概要 |
本研究では,平成10年度,以下に挙げる研究を行なった. 1. スティーラブルピラミッドに基づく電子透かし埋め込み方式の研究 2. 圧縮動画像に関するスクランブル・電子透かしの研究 3. 電子透かしシステムの双方向プロトコルの研究 4. 電子透かし技術の情報理論的検討 5. 電子透かしへの誤り訂正符号の応用 1,2では,静止画像および動画像への電子透かし埋め込み方式を提案している.1.では,静止画像に関して,回転攻撃に強い電子透かし埋め込み方式をスティーラブルピラミッドというウェーブレット変換に類する変換を用いて構成している. 2.ではMPEG圧縮された画像に対して,DCT係数を表す符号語を適当に置き換えることで,電子透かしを埋め込む,あるいはスクランブルをかけることが可能な方式を提案している. 3.においては,電子透かしを用いたディジタルコンテンツの著作権保護システムで,ユーザの不正だけではなく,サーバの不正も正しく検出できるプロトコルを暗号技術を用いて構成している. 4.では,電子透かし技術の安全性を情報理論観点から考察し,通信路容量による評価を行なっている. 5.では,誤り訂正符号を用いた公開型の電子透かしシステムに関する考察を行なっている. 以上,電子透かし埋め込み方式及び電子透かしシステムのプロトコルの提案を行なった.また,電子透かしシステムに関して,理論的な安全性の検討および公開型電子透かしシステムの検討を行なった.
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