研究概要 |
本研究では、遠隔制御を用いて超微粒子をマニピュレーションするシステム,Tele-Nanorobotics systemを構築した。一つのアプリケーションとして遺伝子操作を目指しているため、 スレーブにはAFMを採用している。 申請者らは、nmとμmの分解能の粗い部分とnmの分解能の精細な部分を持つポジショニング・システムとピエゾレジスティブ・カンチレバーを使うことで、独自のAFMを製作した。ポジショニング・システムは試料を動かすのに使われ、ピエゾレジスティブ・カンチレバーは光学的感知方式をとる従来のカンチレバーに比べコンパクトで安価である。 現在あるインタフェースは、3次元VRグラフィックスと1自由度マスタデバイスである。3次元VRグラフィックスでは試料表面の形状とカンチレバーのチップ先端の位置をディスプレイ上で提示している。1自由度マスタデバイスは。Z方向の動作(接触評価)を行える。 また、ナノ世界のZ方向にかかる力をモデル化したNano Simulatorを製作し、VR世界で1自由度マスタデバイスによる接触評価を行った。このシミュレータは、カンチレバーチップを球,試料の表面を平面であると仮定した上で、非接触部門のLennard-Jonesモデルと接触部分のJKRモデルにより、力モデルを考えてある。 実験の種類を以下に示す。 1.半自動制御による試料のプッシング 1自由度マスタデバイスを用いて試料表面までカンチレバーをZ方向に移動し(Tele-touching)、その後、3次元VRグラフィックス上でマウスを用いカンチレバーチップをXY方向に移動させ粒子を押す。 2.自動制御による試料のプッシング 試料表面へのアプローチから粒子のプッシングまで全てを、3次元VRグラフィックスとマウスを用いて自動的に行う。 実験に使用した粒子は、シリコン表面に置かれたlatex(100nm〜2μm)である。
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