研究課題/領域番号 |
10450176
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30272511)
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研究分担者 |
早野 公敏 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40302632)
佐藤 剛司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30092224)
龍岡 文夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)
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キーワード | 粗粒土 / 締固め / 三軸試験 / 変形特性 / 拘束圧 / 局所変位測定 / ヤング率 / ポアソン比 |
研究概要 |
良く締固めた砂礫の弾性・塑性変形特性および最大・残留強度特性に及ぼす拘束圧の影響を実験的に明らかにすることを目的として、矩形供試体(23cm×23cm×高さ60cm)の三輪圧縮・伸張試験を最大9kgf/cm^2程度の比較的高い拘束圧下で実施した。実際の大型構造物において、剛性の高く異方性も強い砂礫層を支持地盤とした場合には、設計上問題となる地盤のひずみレベルは極めて小さく、ほぼ弾性的な変形成分が支配的となると想定されることから、試験では、局所変位測定装置(LDT)を用いて供試体の軸ひずみと側方ひずみを0.001%のレベルまで精度良く計測し、弾性変形特性とその異方性について詳細に検討した。また、圧密・せん断時の応力経路の影響や、繰返し載荷の影響等についてもあわせて検討した。その結果、以下の点を明らかにした。(1)既往の試験においては、等方圧密時に拘束圧が5kgf/cm^2程度以上になると0.001%のひずみレベルの軸方向微小繰返し載荷より求めた鉛直ヤング率Evが増加しにくくなる傾向を示す場合があったが、今回の試験ではそのような傾向は見られず、9kgf/cm^2程度の拘束圧まではその0.6〜0.7乗に比例してEVが増加した。(2)三軸圧縮・伸張載荷中に(1)と同様な微小繰返し載荷を実施して求めたEvは、等方圧密中に同じ鉛直応力のもとで求めたEvとほぼ同じ値となり、弾性変形特性の劣化はピーク強度を示す直前までほとんど生じなかった。(3)(1)および(2)の微小繰返し載荷時の鉛直ひずみと水平ひずみの比として求めたポアソン比νvhは、主応力比σv/σhのほぼ0.35乗に比例して変化した。これは、Evが鉛直応力の0.6〜0.7乗に比例して変化したことと対応しており、弾性変形特性のコンプライアンスマトリックスの対称性を考慮することにより説明することができる。
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