研究分担者 |
轟 朝幸 高知工科大学, 社会システム工学科, 助教授 (60262036)
上田 孝行 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (20232754)
森地 茂 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40016473)
福本 潤也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (30323447)
堤 盛人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70292886)
|
研究概要 |
本研究では,各地域の厚生水準を評価するために,各種地域統計データを組み合わせることで作成される地域生活指標に着目し,(1)理論的位置づけの整理,(2)作成方法の整理および開発,との2つの視点から,地域生活指標の国土・地域計画への有効利用の可能性を検討してきた.平成12年度は,研究期間の最終年度にあたることから,現実の政策に適用する状況を踏まえ,(1)と(2)におけるこれまでの研究成果を取りまとめる作業に取り組んだ.具体的な内容は以下の通りである. まず,各地域の厚生水準を計測した後での利用方法の一つとして,公平性の視点を踏まえた社会資本整備や国土計画の評価論に着目し,そのあり方に関する規範的な考察を行った.代表的な社会資本整備手法である費用便益分析における公平性の取り扱い方に関して既存研究を整理し,今後の研究課題を展望した.また,機会の平等の意味での公平性に基づいた国土計画の可能性を展望し,機会の平等メカニズムに基づいた国土計画が必ずしも有効に機能しない可能性を示唆した. 次に,各地域の厚生水準を過去に遡って計測することで可能となる公共投資の地域間配分をめぐる意思決定に関する実証的考察を,平成11年度までの研究を進展させる形で行った.今年度は,代表的な政治的意思決定モデルの一つである中位投票者モデルに着目し,政治セクターが公共投資の地域間配分に対していかなる影響を及ぼしてきたかを実証的に分析した.分析結果から,我が国の選挙制度に内在する一票の格差が,少なからぬ影響を及ぼしてきた可能性を指摘した. 最後に,社会資本整備のために算出された評価指標の信頼性を,社会的意思決定の中でいかに考慮すべきかについて,規範的な視点から考察するとともに,評価指標の信頼性を定量的に算出する方法論の開発を行った.
|