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1998 年度 実績報告書

近世城下町の都市設計とその系譜に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10450189
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

篠原 修  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70101110)

研究分担者 天野 光一  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70193026)
堀 繁  東京大学, アジア生物資源環境センター, 教授 (90143403)
キーワード城下町の設計 / 桑名 / 微地形の復原 / 正保絵図 / 地盤沈下量
研究概要

平成10年度に行った研究の内容と成果は以下の通りである。1.研究の目的:城下町におけるインフラの設計原理を読み解くために最も重要なポイントは、城下町設計時における微地形の復原である。今年度の研究は、主として当時の微地形を正確に復原するための手法の確立を目的として行った。2.研究の対象と方法:対象地として桑名を選定した。桑名においては、微地形を復原するための手がかりとなる大縮尺の近代測量図が存在しないため、その微地形の復原には工夫をこらす必要があった。そこで本研究においては、(1)正保絵図に記されている城郭一帯の濠の水深、(2)周辺の地盤沈下量、の2種類のデータから当時の微地形を復原する新しい方法を試みた。3.本研究の成果:桑名城下町の既存研究においては、城郭が町人地よりも低地に位置することが謎とされ、様々な解釈がなされてきた。しかし、上記の手法により城郭付近の微地形を復原したところ、築城当時においては、城郭は周囲よりも1〜2mほど高い微高地上に位置していたことが明らかになった。この結果は、桑名城下町研究における既存の解釈を覆すものであり、同時に近年篠原らの研究により明らかにされつつある城下町インフラの設計原理を更に確からしくするものでもある。また、上記(1)、(2)の手法による微地形復原手法の信頼性についても確認することができたといえる。4.本研究の今後の展開:これまで、微地形の表現された測量図は、江戸、大坂の2城下町に限定されていたため、他の城下町の微地形復原は困難を窮めていた。しかし、本研究で呈示した手法は、他の城下町に対しても広く適用可能である。現在、研究対象とすべき城下町のリストを作成中であり、そこで選定された各城下町に対しても本研究の手法を随時適用していくことが、次年度以降の課題である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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