研究概要 |
研究第2年度の平成11年度においては,以下の2点について分析を加えた. 1.物流交通システムの高度化に関する研究 物資流動に関する分析として,物流活動に起因する環境汚染の影響とその緩和方策について分析を進めた.本研究グループにおいて構築した高度な物流管理を実現するロジスティクスセンターの最適配置モデルを活用した.このモデルを改良し,例えば環境指標を目的関数とした場合のモデル化等を行った.さらに,コスト最小化モデルと環境負荷最小化モデルとの計算結果を比較し,その相違について検討を加えた.上記のような分析を通じて,ロジスティクスセンター配置による環境保全への寄与の分析を進めた. 2.環境保全からみた総合交通システムの構築に関する研究 人が人的流動を行う上で,可能な限り環境への負荷を減少させるためには,電車,バスなどのマストランジットを最大限活用することが望ましい.公共交通機関と自家用車による移動との性質を吟味し,さらにそれらの2つのモードを有機的に連携させることによって,より機能的かつ環境に優しい移動手段の実現が可能であるといえる.そのために,まずPT調査などを通じて,公共交通の自動車交通の接続性を分析した.現状における問題点を整理し,総合交通システムに必要な機能およびそのための施設,さらには法的整備等を考究した. 3.環境保全を目的とした交通利用誘導策に関する研究 近年の自動車保有率の増加と道路建設の困難さを考慮すると,もはや道路建設などの需要追随型の交通方策のみでは十分ではなく,交通需要を減少させるために積極的に働きかける,需要管理型の交通方策が求められている.ここでは,そのような需要管理型の交通方策が施行されたときに,環境保全にどのように寄与するかを分析した.
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