研究分担者 |
福山 敬 鳥取大学, 工学部, 助教授 (30273882)
秀島 栄三 名古屋工業大学, 社会開発工学科, 講師 (50243069)
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (20207038)
小林 潔司 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50115846)
佐々木 公明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10007148)
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研究概要 |
従来から,地域経済学・都市経済学などの地域科学の分野では,地方公共財の自発的供給とその効率的な整備のための制度的な枠組みについて議論が成されてきており,近年,さらに,提携関係の自発的な形成に関する研究が展開されてきつつある.しかしながら,そこでの議論は空間的な考慮を欠いており,社会基盤の整備をめぐる提携関係の自発的形成を説明するには不十分である.本研究では,以上のような認識から,土木計画学や地域科学の分野で議論されてきた社会基盤施設の効率的整備の問題と,ゲーム理論を中心として成されてきた提携(協調)の自発的形成の問題とを,提携を誘発するインセンティブを与える制度的枠組みとしての費用配分ルールの設計という観点から融合を図り,体系化の可能性を検討することを目的とする. 平成10年度には,まず,各研究者の関連分野における研究のレビューを行い,自治体間の自発的協調に基づいく社会基盤整備と費用配分ルールとの関係を整理した.次いで,自治体間の自発的協調に基づく社会基盤整備を効率的なものとしていくために費用配分ルールが本質的な役割を果たす局面やその局面を規定する基礎的な性質などを抽出し,体系化を図るための分析枠組みの整理を行った.さらに、この成果を各自が対象とする問題の分析にフィードバックし、それぞれの研究課題に取り組んでいる。 平成10年度には4回の研究打ち合わせ会議を開催した.そのうち,2回を「自治体間の自発的協調に基づく社会基盤整備と費用配分ルールとの関係把握」のための既往の研究レビューに基づくを結果に関する結果の交換・討議,「分析枠組み設定のための本質的要素の抽出」に関する意見交換に費やし、残りの2回を個別の社会基盤の整備問題に対する検討の機会とした.
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