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1999 年度 実績報告書

機能性バイオポリマー創出とその利用による水環境からの病原ウイルス除去に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10450194
研究機関東北大学

研究代表者

大村 達夫  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111248)

キーワードバイオポリマー / ウイルス / 吸着 / 活性汚泥 / 細胞外タンパク質 / アフィニティークロマトグラフィー / ELISA法 / SDS-PAGE
研究概要

活性汚泥中のウイルスは,細菌が創出するバイオポリマーに吸着された形で汚泥フロック中に捕捉されている。このバイオポリマーによるウイルス吸着は非常に強固であり,抗原抗体反応のようなタンパク質間相互作用が深く関与しているものと考えられる。本研究では,ウイルス吸着という機能性を有したタンパク質系バイオポリマーを活性汚泥中から検索し,その性質を調べることを目的とし,最終的には,その機能性バイオポリマーを人工的に創出し,ウイルスに対する選択的な吸着剤として水処理に利用することを目指す。
昨年度は,汚泥中の細菌細胞外タンパク質を凍結融解や有機溶媒(1-ブタノール),超音波処理により抽出し,各種クロマトグラフィーにより抽出タンパク質の分子量分画およびイオン強度分画を得た。これに引き続いて本年度は,抽出タンパク質をアフィニティクロマトグラフィー(HiTrap NHS-activated)に注入することで,ウイルスと特に親和性の高いタンパク質(ウイルス吸着タンパク質)を分離した。このとき,アフィニティークロマトグラフィーカラムのリガンドには,ポリオウイルスI型の表面を覆うカプシドタンパク質のうち特にウイルス表面から突出し,ウイルスと細胞との抗原抗体反応に強く関与しているペブチド配列(VPIの93から104まで)を人工的に合成したものを固定した。したがって,ここで分離されたウイルス吸着タンパク質は,ウイルスの表面カプシドタンパク質と極めて特異的に吸着するタンパク質とみなすことができる。このタンパク質間の特異的結合による実際のウイルス粒子の吸着能力は,弱毒ポリオウイルスI型(ワクチン株)を用いたELISA法により確認された。また,SDS-PAGE(SE260 Mighty Small II)による電気泳動の結果から,ウイルス吸着タンパク質の分子量は10万Da程度であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 渡部 徹,福士謙介,大村達夫: "河川流域における水利用システムを介した水系感染症アウトブレークの都市間伝播予測"土木学会年次講演会講演集. 第7巻. 16-17 (1999)

  • [文献書誌] 加藤 聖,福士謙介,大村達夫: "アフィニティークロマトグラフィーによるウイルスカプシドタンパクと親和性の高い汚泥由来タンパク質の検索"土木学会年次講演会講演集. 第7巻. 118-119 (1999)

  • [文献書誌] 佐野大輔,福士謙介,大村達夫: "Enzymatic Virus Elution (EVE法) による下水汚泥からの腸管系ウイルス誘出"土木学会年次講演会講演集. 第7巻. 120-121 (1999)

  • [文献書誌] Sei Kato,Kensuke Fukushi,Tatuo Omura: "Search for Poliovirus-Complexing Proteins Isolated from Activated Sludge"大韓環境工学会秋季学術研究発表会. 第1巻. 107-108 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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