RC柱コンクリートの斜め圧縮力伝達機構に関する研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10450202
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 瀧口 克己 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (10016644)
• 研究分担者: 堀田 久人 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20190217)
• キーワード: RC柱 / 圧縮曲げせん断 / 斜め圧縮力 / 圧縮力伝達機構 / 多軸非線形復元力 / 逆対称偏心圧縮実験 / 定軸力 / 塑性論

研究概要

1.主筋に、付着を除去したPC鋼棒を用いたRC柱試験体を作製し、軸力を一定に保ちつつ、曲げせん断変形を単調に増加させていく、圧縮曲げせん断実験を行った。実験パラメーターは、せん断スパン比である。コンクリートとしては、シリンダーの圧縮強度300kg/cm^2級のものを使用した。
2.一定軸力の条件下でのRC柱の圧縮曲げせん断実験により、RC柱のコンクリート内を圧縮力が斜めに伝達される場合、その耐力特性がせん断スパン比との関連で、どのようになるかを明らかにした。
3.RC柱がせん断破壊する場合にコンクリート内を斜めに伝達しうる圧縮力と、RC柱が曲げ破壊する場合に、コンクリートが伝達する圧縮力の大きさを明らかにした。
4.RC柱の圧縮曲げせん断実験を行った。曲げモーメントとせん断力の比率は一定であり、圧縮力及び曲げモーメントが変化する実験である。曲げモーメントとせん断力による柱の水平変位と軸方向変形とそれに対応するせん断力と軸力との関係を明らかにせんとするRC柱の多軸復元力特性を調べる実験である。
5.RC柱の多軸非線形復元力は、変形増分が負荷方向に向かう場合は、塑性論の考え方に類似した挙動を示すことを示した。
6.RC柱が一旦降伏し、その後、変形増分が除荷方向に向かう場合、復元力増分は、弾性状態とは大きく異なった大きさと方向になることも明らかにした。

研究成果

• [文献書誌] N.Nakanishi and K.Takiguchi: "Compressive Properties of Concrete around the Critical Section of R/C Columns under Combined Compression,Bending and shear"Proc.of the 7th EASEC. Volume.2. 1087-1092 (1999)
• [文献書誌] K.Nishimura and K.Takiguchi: "A Study on Arch Mechanism to Estimate Ultimate Shear Strength of R/C Columns"Proc.of the 7th EASEC. Volume.2. 1127-1132 (1999)
• [文献書誌] 国井重信、瀧口克己 他: "繰り返し載荷を受けるRC柱端部コンクリートの圧縮特性(その1)実験概要"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造IV. 757-758 (1999)
• [文献書誌] 中西規夫、瀧口克己 他: "繰り返し載荷を受けるRC柱端部コンクリートの圧縮特性(その2)実験結果の検討"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造IV. 759-760 (1999)
• [文献書誌] 大谷哲也、瀧口克己 他: "せん断補強筋のないRC柱部材の斜め圧縮力伝達機構(その1)実験概要及び実験結果"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造IV. 771-772 (1999)
• [文献書誌] 西村康志郎、瀧口克己 他: "せん断補強筋のないRC柱部材の斜め圧縮力伝達機構(その2)せん断ひび割れ応力及びせん断耐力の算定"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造IV. 773-774 (1999)
• [文献書誌] Katsuki TAKIGUCHI,Koshiro NISHIMURA 他: "DIAGONAL TRANSFER CAPACITY OF COMPRESSIVE FORCE IN CONCRETE OF R/C COLUMNS"Proc.of the 12 WCEE. No.0682. 8 (2000)