研究課題/領域番号 |
10450207
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
田村 幸雄 東京工芸大学, 工学部, 教授 (70163699)
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研究分担者 |
石原 競 東京工芸大学, 工学部, 助手 (50298254)
菅沼 信也 東京工芸大学, 工学部, 講師 (80267533)
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キーワード | ドップラソーダ / 風速鉛直分布 / 地表面粗度 / 設計風速 / 上空風 / べき指数 / 乱れの強さ / 平均風速 |
研究概要 |
本年度はドップラソーダを用いた高々度風の高精度観測技術を確立して本格的な観測を開始すると同時に、地表面粗度情報データベースの試験的構築を行った。先ず最初に、神奈川県平塚市内で実施してきた観測結果をもとに、観測方法およびデータ集計方法の詳細な検討を行った。発信周波数やパルス幅などの基本パラメータを確認する一方で、以前から集計精度低下の要因となることが懸念されてきた基準風向・風速の設定方法および風騒音の影響を重点的に検討した。その結果、代表高度風速によりデータを選別集計する方法は当該高度付近の風速に偏りを生じさせることが判明し、全高度平均風速による集計法へ置き換えられることとなった。また、風騒音モデルを用いた解析により、高風速になるにつれて高々度における集計値が過小評価されること、データ取得率が測定値に影響することが判明した。以上の成果をもとに高浜台(海岸)、平塚(工場街)、南町田(住宅地)での観測結果の整理を行った。次に、観測地点を東京都江東区の臨海地域と同地点から約12km内陸へ入った墨田区内の2地点へ移動し、観測を開始した。以上と併行して、次年度に計画されている風洞実験の物理モデル作成に着手し、予備観測を実施した平塚市内について地表面粗度情報データベースの試験的構築を行った。住宅地図と国土地理情報より建物形状・階数および標高の入力を終え、これらの情報から建物のみを高さ一定の箱状として1/1000スケールで再現した物理モデルが完成している。このモデルを用いた予備的な風洞実験では、実測より粗度が小さく評価される傾向が表れるなど、屋根形状や樹木などの再現が重要であることを示唆する結果が得られている。
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