昨年度は、建設省建築研究所の人工気象室内にあるシリンダーハウス(換気量既知の試験住宅)にて、パッシブ換気時の多種トレーサーガス法の測定精度検定を行い、4室と5室モデルにおいて測定精度が20〜30%の範囲内に収まることを確認した。 本年度は、北海道大学キャンパス内に建設されたローエネルギーハウスを対象に、夏と冬のパッシブ換気の実態把握を行った。夏期の上方開放熱対流型換気や通風換気では、トレーサーガスの「濃度むら」をそのまま「むら」として活用した根気量の測定を試み、温度積層や主流域を形成する換気の場合に、有用な測定法であることを確認した。 また、冬期のスタック型のパッシブ換気では、濃度瞬時一様拡散の仮定が必要になるが、4室に4種ガスを放出しても、ターゲットを絞り3室化することで、リーズナブルな外気流入量及び室間換気量が推定可能なことを見出された。
|