研究課題/領域番号 |
10450209
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
佐土原 聡 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (90178799)
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研究分担者 |
村上 處直 横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (30210008)
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キーワード | 都市インフラストラクチャー / 広域熱供給ネットワーク / 公共性 / 省エネルギー / 環境保全性 / 防災性 / アメニティ性 / 熱併給発電(CHP) |
研究概要 |
この研究は省エネルギーやCO2削減といった「環境保全性」、「都市インフラストラクチャーの総合化」による「防災性」の向上、「アメニティ」への寄与など、多様な役割を果たし得る熱供給網において、広域熱供給ネットワークの部分は公共性が高いという観点から、その公共的整備の必要性、可能性に関して研究するものである。 昨年は、日本全国都市についてのエネルギー負荷、都市排熱源等の調査により、都市排熱を熱供給に活用するという視点から都市の特性分析を行った。 本年度は、研究計画にもとづき、昨年度行った都市特性の調査研究を更にすすめるとともに、北欧の広域熱供給ネットワークに見られる「熱併給発電(CHP;火力発電所からの熱併給)」に関して、日本の都市への導入可能性をシステム面から検討した。 その成果としては、CHPについては二重効用吸収式冷凍機が駆動可能な温度レベル(Case1)、単効用吸収式冷凍機が駆動可能な温度レベル(Case2)の2ケースに関して、電動ヒートポンプによるシステムとのエネルギー比較を行った結果、2ケースともにヒートポンプシステムの方が時刻別ではエネルギー的に有利である時間帯があるが、年間を通してみるとCHPシステムの方がエネルギー的に有利であることが明らかになった。また、冷熱比(年間熱需要に対する冷熱需要の割合)を指標にとり地域的なシステム検討をおこなった結果、冷熱比が大きい東京以南の都市は、Case1の方がエネルギー的に有利であり、東京より北の都市ではCase2のの方がエネルギー的に有利であることが明らかになった。
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