研究分担者 |
足永 靖信 国土交通省建築研究所, 第五研究部, 主任研究員
持田 灯 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00183658)
村上 周三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013180)
宮崎 ひろ志 姫路工業大学, 自然・環境科学研究所, 助手 (50254462)
芝池 英樹 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (70187392)
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研究概要 |
1.数値シミュレーションの入力データ及び計算結果の検証のための気象データの整理,衛星リモートセンシングを用いた土地利用データの作成,を行った.特に,地表面境界条件のアルベドと蒸発効率の分布をリモートセンシングデータより作成することで,境界条件の改善を行った.また,現実の複雑な地表境界とモデルによる単純化に対する地表面熱収支計算の精度について検討した. 2.近畿地方全域を対象としたMellor-Yamada型モデル(レベル2.5)を用いたメソスケールの数値計算及びネスティドグリッドによる神戸市の気候数値シミュレーションを行い,海陸風の特徴,六甲山周辺の独特な風系などを明らかにした. 3.神戸市六甲山の谷間から市街地へ流出する冷気流のメカニズムと市街地冷却効果を明らかにするために,神戸市そま谷川周辺市街地で夏季に詳細な実測調査を行った.その結果,冷気流の市街地冷却効果を確認し,地形との関連から冷気流の時間的変化を考察した.また,浅水方程式モデルにより地形の影響を受けて冷気の流れる状態をモデル化し,冷気の厚さや流出速度の計算を行った.その結果,複雑な地形上での冷気流の特徴をつかむには実用上十分であることを示した. 4.対象地区を神戸,大阪,京都に設定し,ネスティングにより焦点を合わせる領域を変化させることで,三都市を対象とした計算を行った.計算結果を大気汚染の常時監視局の観測結果などと比較し,計算精度の確認を行なった.計算結果を夏季の典型的な温度,気流場のデータベースとして整備し,今後この地域で詳細な熱環境シミュレーションを行なう場合の境界条件などの基礎データとして利用できるように整理した.
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