研究概要 |
1.日本における建築の保存・再生事例のデ-タベ-ス構築 日本における建築の保存・再生事例を建築関連雑誌を中心に収集し,竣工から保存・再生工事までの年数(準寿命),その手法,保存するに至った経緯と克服すべき問題点等をデータベース化した. 2.維持管理の状態が優れている建築の事例とその理由の調査 同世代の建築と比べて明らかに維持管理状態が優れている現代建築を抽出し,その理由を文献調査およびアンケートにより明らかにした. 3.維持管理しやすさを考慮した現代建築のデザイン手法の体系化 維持管理に必要な設備機器類をデザイン要素として取り込んだ事例,汚れ防止のディテール上の工夫,外壁の清掃や部材交換のしやすさを十分に考慮した形態事例を収集した. 4.公共建築の維持管理システムの調査 近畿圏に存在する,国および地方自治体が管理する公共建築の管理担当者に維持管理上の問題点に関するヒアリングを行い,それらを要因別に整理・体系化した. 5.建築の機能転用・模様替えの実態調査 機能転用または大規模な模様替えが行われた建物の改修動機,改築する場合との費用比較等の調査を継続して行った.この調査はあと1年継続し,12年度にまとめる予定である.
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